エリオット・スミスのソングライティングについてのインタビューです。誤訳、あるかもしれません。。。
原文はhttp://www.sweetadeline.net/guitarart.html
タイトル不明、インタビュアー不明、ギタープレーヤー1998年9月号より
1998年度アカデミー賞の授賞式で「グッドウィルハンティング旅立ち」サウンドトラックからオスカーにノミネートされた曲「ミス・ミザリー」を(セリーヌ・ディオンとトリーシャ・イヤウッドの間に挟まれ)演奏して無名の状態から一躍世間に姿を現したエリオット・スミスを見た人々は困惑していたかもしれない。「あのアコースティック・ギターを持ったしわくちゃのスーツを来たシャイな男は一体誰だ」と。だがこの人間味あふれるフォーク・シンガーのギターを弾く姿や、切ないまでのウィスパーヴォイスを知る人にとっては、「ついに登場した!」となっていただろう。彼はスピンマガジンが選んだ「98年の最も重要なアーティスト」の1人であり、それは当然のことだ。彼の4枚目のアルバム「XO」(ドリームワークス)は緻密かつ知的でありつつも感情を揺さぶるような出色の作品となっている。
曲作りのプロセス
曲を書く作業というのは待機戦術みたいなものだ。沢山やればやるほどチャンスが巡ってくる。あんまり意識しないで演奏し続けていると、びっくりするような何かが起きるんだ。僕は普段やりかけの曲を同時進行で沢山持っていて、毎日のようにあてもなくその曲たちを弾いたりしているんだ。きちんと腰を据えて、「よし今からこの曲を仕上げよう!」というふうに決めたりはしない。ただ自分が持っているものを弾くだけなんだけど、長い時間をかけるうちに曲が育っていく。大体の場合、僕の頭じゃなくて、手がそれを見つけてくれるんだ。
以前は良い曲を書けるようなプログラムを見つけようとしたこともあったんだけど、色々と自分で試してみて、―自分が考えた方法は全て失敗に終わったんだけど―そういったことを考えないほうがずっといい。(曲作りにおいて)立ちはだかる一番の障害は、作り始めたばかりのものを良いとか悪いとか決めつけてしまうことなんだ。出来るだけ良い作品にするにはあらゆるアイディアに従ってみるべきだ。最初は容易に落ち込んでやる気がなくなってしまうもので、なぜならアイディアが思い浮かんだのに、「これはどこそこの曲みたいだ」とか「これはあんまり面白くないな」などと思い込んでしまうから。でも自分が取り組む作品が沢山ある程、もっと良いものに変えられると思える何かを引き出せたり、選択したり出来るようになる。
そして、もう一つの問題は、ほとんどの書き手は自分の作品に対してはあまりいい判断ができないということなんだ。自分はこれは出来がいいから良いものだと思っても、他人は不出来であってもより興味深いもの含むほうを好きになるかもしれない。書き手は自分の成長を表現できる曲を選択するより、出来の良い曲を優先させてしまうものなんだ。そうした安易な選択が自分の曲作りを大幅に低迷させてしまうことは良くあることだ。
自分が思いついた全てのことを試してみることがとても重要なんだ。ただ陳腐かもしれないという理由で試さないというのは違う。くだらなく聞こえるものと、すごくクールに聞こえるものとはわずかの違いしかない。ピカソは20世紀の最高の画家だと多くの人が認めるところだけど、僕は彼が他の人と同じようにひどい絵を沢山描いたと聞いたんだ。彼はただ他の人よりももっと沢山描いだけなんだ!彼は自分のやること全てが傑作であらねばならないなんて自分に強いたりはしなかった。自分の過ちから学べるから、全部やってみてあとから選んだらいいというような感じだったんだよね。
コード進行
僕は経過和音(パッシングコード)がたまらなく好きで。例えばG、D/f#、Fといった流れのコードチェンジを弾く時のようなね。自分が好きなコード進行の種類にはメロディが半音下がる部分がある。ビートルズがそれを沢山やったんだ。そして、それこそが僕がトラディショナルな音楽で大好きなところなんだ。コードとコードをつなぐ場合に―音符が大きく動く間にほんの少しだけ音を移動させる手段がある。半音上がったり下がったりするものには何でもいつも自分は引き込まれちゃうんだ。
歌詞
曲よりも歌詞のほうがはるかに沢山書くことが出来る。でも残念なのは言葉に本当に関心がある人はごく少数だ。音の迫力や耳に残るサビの部分に力を入れている人のほうが圧倒的に多い。「言葉を持つソニックユース」があれば格好いいだろうね。なぜならサウンド面やリズムの面では沢山のことをこのバンドはやっているから。
ハッピーアクシデント
僕が学んだ多くのことは、偶然起きたことやその頃は失敗だと思っていた事からなんだ。実際僕の好きな曲のほとんどは書いた本人さえもびっくりさせた曲だし。それは音楽における素晴らしいことの一つだ。自分が思っているよりも完璧になりえるんだ。あるとき、何もかもが上手くいって「わあ、すごい!」っていうふうに。
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