深淵なる親子の絆
エリオットの父親であるゲイリー・スミスのインタビューです。エリオットが14才の時に参加した地元のタレントショーについて語っています。
「タレントショーがあった大きな教会は人で一杯だった。色々な参加者がいてその一人はタップダンサーで、「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」(注:1940年代に作られた戦争プロパガンダ映画)を星条旗カラーのコスチュームを着て踊ったんだ。エリオットは「ブラックバード」を演奏して、僕はあっけにとられたよ、もしかしたらそう思っているのは僕だけかなと思ったんだけど、演奏が終わった後、静かな間があって、そのあと暖かい拍手が会場に広がったんだ。その時初めて、ああ、これが息子の行く道なのかなって」
彼はビールのボトルを置いた。
「で、その話のオチっていうのが」
ーそのときにはエリオットはくすくす笑い出していたー
「全国大会への出場者は「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」のタップダンスを踊った人が選出された。それがそういうことの始まりで、」
彼は全部まで言わなかった、なぜなら親子は大声で馬鹿笑いしていたから、そして言わなくても明らかだった。それは、どうも賞とは無縁だということの始まりであり、だからといって「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」の路線で行きたいかというと、そうではないらしいということだ。
「エリオットはあちこちで方向転換して、袋小路に飛び込むかもしれない」
父は息子のギターをストロークしながら言った。
「でも彼は自分を貫くこと、高潔さを守ることを知っている。物静かだが、彼は芯から強い」
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