アルバムバージョンをヘッドホンで聞くのが好き
前述のBallad of Big Nothingの歌詞にも出てくる「Parade」については、私が何かを語るよりも、エリオットのインタビューが結構残されているのでそちらを訳してみました。またエリオットの死後に、元ヒートマイザーのギタリストであり、大学時代からの親友だったニール・ガストがCMJに彼のお気に入りの曲として寄稿しているので、そちらも参考にしてみて下さい。彼がいかに裏表のないアーティストであったかが伝わってくるようです。
1. Interview by Matt Dornan, Comes with a smile より引用
ES:『ローズ・パレード』はポートランドのお祭りで、僕はちゃんとそれを正しく表現するべきだったんだけど、そのパレードについて表現したわけじゃないというのがポイントなんだ。独善的なパレードや自己満足な催しなんかへのたとえだったんだ。
2. Walkin’ after midnight from Jim より引用
Either/Orで僕が気づいたこと、もしかしたら僕が数年LAに住んでいるからかもしれないからなんですけど、僕はここの学校に通っているから・・・このアルバムはLAについてのことが沢山あるような気がして、『Alameda』(LAにある通りの名前)、『Rose Parade』(パサディナで新年に行われるパレード)、『Angeles』などの曲とかなんですけど。
ES: Alamedaはポートランドにある通りだよ。
そうなんだ、それは知りませんでした。
ES: で、Rose Paradeは毎年ポートランドでやっているパレードのことなんだ。
え、そうなんですか。
ES: でも『ローズ・パレード』はそのパレードについてのことじゃないんだ。一般的なパレードについてのことだったんだ、パレードをしている人たちが他人もその自慢げな行進に加わるのを期待しているといったようなね。誰かがやる「俺たちって格好いいだろう?」といった態度のことだよ。それほどのものでもないのにパレードをしようとして、まんまと裏切られるんだよ。少しの間は可能かもしれない、でもやがてすべては間違った方向に行く。
あなたの歌詞の中の「Energizer Bunny (訳者注:電池で有名な米エナジャイザー社のウサギのマスコット)」に感嘆符(!)がついているのが好きなんです。面白いですよね。
ES: えーと、実際は「Duracell Bunny(訳者注:デュラセル社のウサギは存在しない)」なんだ。おかしなことに僕はそうやって曲を作ったんだ。それでそのまま録音した。すると誰かに、「おい、それはエナジャイザーバニーじゃないか」言われて、「あ、そうだ、デュラセルバニーじゃない」と。でも実はこっちのほうがもっと気に入っているんだ。
そうですね、ちょっとひねってる感じが。
ES: だってもっと怪しいかんじだし(笑)
なんか、おかしいですよね。全部の意味を僕はLAについてのことだと思っていたから。僕はあなたが・・・
ES: まあ、『Angeles』はそうだよ。
僕はUSC(南カリフォルニア大学)に通ってるんですが、トランペッターが酔っ払ってて簡単な部分さえ間違えてて気乗りのしない勝利の歌を一緒に歌わされて、というくだりが・・・
僕らの大学のマーチング・バンドのことを思い出すんですよ。地球上で一番素晴らしいブラスバンドとか言われてて、フリートウッド・マックとかと共演した。
ES: うん、『Tusk!』のことだよね。
3. Neil Gust, CMJ New Music Monthly 2007年5月号より
「エリオットは、彼が音楽業界を批判する曲を書いた時は、ネタが尽きてるからってことを良く言ってたんだ。でも”ローズ・パレード”では、彼はセレブリティたちのバカ騒ぎや、彼のまわりに作られていた過剰な盛り上がりへの彼の無関心さを、さらりとしなやかに捉えたと僕は思う。この曲のサウンドの軽やかさと、その上、勢い良く動き出し遠くに向かって歩きだすような、まるで彼は自分の重荷を残していくから良かったら拾ってくれないか、というような感じが僕は大好きなんだ。また、「お金みたいなキャンディーを振りまいて」、酔っ払ったトランペット奏者、気乗りのしない勝利の歌、一緒に行進しなきゃいけない羽目になったパフォーマーなど、調子の狂ったパレードをまるで映画のように眺めているというのも気に入っているんだ。」
Rose Parade
You asked me to come down and watch the parade
To march down the street like the !Duracell! bunny
With a wink and a wave from the cavalcade
Throwing out candy that looks like money
To people passing by that all seem to be going the other way
君は僕にこっちに来てパレードを見ないかと誘う
!デュラセル!のウサギみたいに派手な行列からウインクをして手を降って
通りを行進しようと
お金みたいなキャンディーを通り過ぎる人々に放り投げる
みんな反対方向に向かっているみたいなのに
Said, “Won’t you follow me down to the Rose Parade?”
With a wink and a wave from the cavalcade
Throwing out candy that looks like money
To people passing by that all seem to be going the other way
君は僕にこっちに来てパレードを見ないかと誘う
!デュラセル!のウサギみたいに派手な行列からウインクをして手を降って
通りを行進しようと
お金みたいなキャンディーを通り過ぎる人々に放り投げる
みんな反対方向に向かっているみたいなのに
Said, “Won’t you follow me down to the Rose Parade?”
そして言う、「ローズ・パレードまで僕についてこないか?」と。
Tripped over a dog in a choke-chain collar
People were shouting and pushing and saying
And I traded a smoke for a food stamp dollar
Ridiculous marching band started playing
Got me singing along with some half-hearted victory song
鎖の首輪で繋がれた犬につまづいて
人々は叫んで、押し合って、喋っている
僕はたばこをフードスタンプ券と交換した
馬鹿げたマーチングバンドが演奏を始めた
気乗りのしない勝利の歌を一緒に歌わされて
People were shouting and pushing and saying
And I traded a smoke for a food stamp dollar
Ridiculous marching band started playing
Got me singing along with some half-hearted victory song
鎖の首輪で繋がれた犬につまづいて
人々は叫んで、押し合って、喋っている
僕はたばこをフードスタンプ券と交換した
馬鹿げたマーチングバンドが演奏を始めた
気乗りのしない勝利の歌を一緒に歌わされて
Won’t you follow me down to the Rose Parade?
Won’t you follow me down to the Rose Parade?
Won’t you follow me down to the Rose Parade?
Won’t you follow me down to the Rose Parade?
Won’t you follow me down to the Rose Parade?
ローズ・パレードまで僕についてこないか?
ローズ・パレードまで僕についてこないか?
ローズ・パレードまで僕についてこないか?
The trumpeter’s obviously been drinking
ローズ・パレードまで僕についてこないか?
ローズ・パレードまで僕についてこないか?
The trumpeter’s obviously been drinking
‘Cause he’s fucking up even the simplest lines
You say it’s a sight that’s quite worth seeing
It’s just that everyone’s interest is stronger than mine
When they clean the street, I’ll be the only shit that’s left behind
トランペッターは明らかに飲んだくれてる
簡単なメロディのところでさえ音を外してる
君はなかなか見る価値がある光景だと言う
ただみんな僕より関心があるというだけだ
通りがきれいになったとき、僕は一人取り残されたクソだろう
So won't you follow me down to the Rose Parade?
さあ、ローズ・パレードまで僕についてこないか?